国産松茸を年に一度はご家庭で!

きのこ狩り Part2

きのこの見分け方

 まず、どんな樹木の林に、いつ頃、どのように生えていたかが、見分けるポイントになります。きのこ各部(や胞子)の形や色、味、においなども大切な特徴です。迷信にとらわれず、視覚・味覚・臭覚・触覚の四感をはたらかせて観察することが必要です。
 1500種類を越えるきのこを見分けることは、それほど簡単なことではないと予想されるでしょう。正確に種類を見分けることは難しいと言えます。
 しかし、慣れれば、肉眼による観察だけでもだいたいの分類群の見当をつけることはできるようになります。例えば昆虫では、これはチョウの仲間、これはトンボの仲間というように分類群の見当をつけることは比較的簡単です。同じようにきのこでも、これはテングタケの仲間、ベニタケの仲間、イグチの仲間、さるのこしかけの仲間くらいは、1日きのこに親しめば分かるようになるでしょう。

きのこ型のきのこ、基本の部品は5つ

 きのこ型をしたきのこには「傘(かさ)」と「柄(え)」があります。傘の下面には胞子を付ける「ひだ」があります。もっとも複雑な形をもつテングタケの仲間では、さらに「つば」と「つぼ」があります。
  根本にある「つぼ」は落ち葉などに埋もれて掘ってみないと分からないこともあるので注意が必要です。また、「つば」も脱落して無くなりやすいものがあります。この5つの部品すべてが揃っているものはテングタケの仲間と思って間違いありません。テングタケの仲間には猛毒を持つ種類が多いので、この特徴をもつきのこを食用にするときは慎重になるべきです。 キノコの部位

きのこ型をしていないきのこ

 きのこ型をしていないきのこもたくさんあります。キクラゲのようなゼラチン質のきのこ。さるのこしかけ類の作る硬質のきのこにもきのこ型のものは少ないです。腹菌類(主に胞子をきのこ内部に作る)や子嚢菌類(子嚢胞子とよばれる胞子を作る)の作るきのこにはおよそきのことは思えない奇想天外な形のものもあります。
普通のきのこ型をしたきのこは胞子を傘の下面につくります。成熟して放出された胞子は風に乗って散布されます。いわば「風散布」きのこです。また、ほとんどのきのこにはたくさんの虫やカタツムリなどが集まります。虫はきのこの菌糸や胞子を食べたり、卵を産みにやってきているのですが、きのこのほうも食べられてばかりではたまりません。スッポンタケ類やシラタマタケなど虫を利用して胞子を散布する、「虫散布」きのこもあります。タマハジキタケのように自力で胞子を散布するものもあります。地下にできるきのこであるトリュフ(セイヨウショウロ類)の胞子散布にはリスやモモンガなどの哺乳動物が関わっているのではないかといわれています。「哺乳類散布」きのこ?とでもいうのでしょうか。トリュフを探すのにブタを使ったといいます。野生のブタであるイノシシも地下にできるきのこを食べているかも知れません。